私学探検隊

ホームルーム(HR)で「アンガーマネジメント」を学ぶ

パンフレットや学校HPに紹介されてない授業
日本大学第三中学校にはパンフレットにも学校HPにも載っていない授業があります。それは「アンガーマネジメント」です。
「アンガーマネジメント」とは、怒りの感情やそれに伴う行動の背景にある認知(物事の考え方)に焦点を当て、穏やかに変えていくことで感情をコントロールし、よりよい人間関係を築くことを目指した認知行動療法の理論に基づいた方法です。
アンガーマネジメントの授業は中学の3年間を通じてあり、1年間で5回、3年間で全15回、HRの時間に行われます。授業を行うのは担任の先生。先生がテキストを使って指導します。

3年分のテキスト

このテキストに自分の気持ちを書き込んだり、グループワークをしながら進んでいきます。
養護教諭の鈴木純子先生は「思春期は生徒間のトラブル、いじめなどの問題が出やすい時期です。生徒の心のストレスを軽減し、人間関係を良好にし、快適に学校生活を過ごせるよう、本校では4年前から『アンガーマネジメント』を導入しています。導入前、全教員が研修を受けました。また、保護者向けの説明会もあり、毎年一定数の方が参加されています」と教えてくれました。
スクールカウンセラーの久保有紀子さんは、「怒りの感情は悪い感情ではなく、不快や危険が迫っていることを教えてくれる、生活していく上で必要な感情です。大切に扱うことで怒りの感情を弱め、その感情を抱えながらも安全に生活することを目指します」と言います。

入学直後のオリエンテーションでは講堂で、アンガーマネジメントについての説明を受ける

5つの領域(※)を学ぶプログラム
アンガーマネジメントを学んで1年の中2のW・BさんとE・Tくんに、授業を受けた感想を聞きました。
「中1の時は、とくに校外学習などで揉め、トラブルが多かったように思います。しかし、授業を受けていくうちに揉めそうになると、誰かが『あ、ちょっと待って』とちょうどいいタイミングで言うので、トラブルが回避できました。中2なのでまだ受講している最中ではありますが、『怒ることは悪いことではない』『相手の気持ちを思いやる』ことを学ぶことができました」(W・Bさん)
「正直言って入学直後は『年に5回も受けるなんて意味がない』と思っていました。しかし、1回1回受けるごとにとても重要なことだと気づきました。とくに怒りを感じた時は冷静になることと、ストレスについての授業は勉強になりました。実際、テストの点数で友達から煽られた時は言い争いになりそうでしたが、『10秒呼吸法』で避けることができ、学んだ甲斐があったな、と実感しました。中学2年生では8割が怒りの感情をコントロールできていると思います」(E・Tくん)
導入から4年。「生徒から自然に『アンガーマネジメント』という言葉が出るようになりました。また、イライラ解消法やトラブル解決力も少しずつですが、ついてきたと思います」と鈴木先生。さらに、「将来的には学んだことを実践する機会を作りたいです」とも言います。
アンガーマネジメントは社会人になってからも役立つ力。この力を身につけた生徒たちの将来が楽しみです。

※5つの領域とは、「怒りの感情の理解」「ストレスマネジメント」「認知変容」「傾聴」「アサーティブコミュニケーション」です。

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。


日本大学第三中学校
[学校HP]https://www.nichidai3.ed.jp
〒194-0203 東京都町田市図師町11-2375 Tel.042-789-5535
最寄駅/JR横浜線・小田急小田原線「町田駅」からバス「日大三高入口」「日大三高東」ほか。登下校時、京王線など「多摩センター駅」、「町田駅」、JR「淵野辺駅」から直行・急行バスあり。

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