中学1年生から始める6年間の継続的な総合学習で 社会に出てからも主体的に生きる力を育む
総合学習プログラムで社会と自分の関わりを考える
学習指導だけでなく、学校行事やグローバルな学び、キャリア指導などのさまざまなカリキュラムを通じて、6年間かけて段階的に社会で活躍する力を育てる湘南学園。独自に展開される教育プログラムのなかでも要となる取り組みのひとつが、自ら能動的に社会と関わる姿勢を育む総合学習です。
今回は、中学1年生の総合学習の取り組みについて山田明彦先生にうかがいました。「クラスや部活動などを通じて新たな仲間と出会い、関係を築く時期である中学1年生。一人ひとりがかけがえのない存在であることを自覚し、他者への理解を深めること、命の大切さを実感することを目的に、自分の家族へのインタビューや、東北の被災地を訪れた高校生の先輩による特別授業などが4月から行われてきました。これまで当たり前に行ってきたことや、普段の生活を見つめ直すきっかけになったようです」(山田先生)。
6月には、校内で車いすを体験。校内のエレベーターや傾斜、段差など数か所を自分が乗ってみることで、日常的に車椅子に乗る人の視点に気づきます。また、友だちが乗る車いすを押すことで、ハンディキャップを持つ方とどのように接すればいいのか想像力を働かせます。
体験の後は、車いす生活を送っている方の講演を聞きます。ハンディキャップを持つ人のこれまでの人生や気持ち、考え方、また彼らと関わる多くの人々の存在について知りながら、自分がどのように関わっていくべきか、支える社会はどうあるべきか、の認識を深めていきます。
「身体や精神にハンディキャップを持つ人など、さまざまな人間がいます。彼ら一人ひとりが、いろいろな思いを抱きながら生きているということ、一人で生きているわけではなく、支え合うことで世の中は成り立っているのだということに気づいてもらえたらと思っています。抱える問題は人それぞれ違うもの。自分と考えの異なる人からも学びながら、多くの人々と関係を築いていってほしいですね」(山田先生)。
総合学習は、教科教育ともつながりを広めています。例えば、広島を訪問する中学3年の研修旅行前には国語科で井伏鱒二の『黒い雨』を読み、音楽科では原爆をテーマとした歌を歌います。学び、感じたことを次の活動に活かしていく。6年間かけて継続的に理解を深め、社会でたくましく生きる力を育みます。
湘南学園の総合学習プログラム | ||||
〈中学1年〉 命の大切さを知れば互いを 大切にできる |
〈中学2年〉 湘南という地域で 活躍する人たちから学ぶ |
〈中学3年〉 体験を広げる 豊富な取り組み |
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家族に取材し、「大切にされている命」であることを認識。また、ハンディキャップを持つ人との交流で「相手を理解して認め合うこと」を学ぶ。 | 観光、漁業、農業などの分野で活躍する地元の方から、地域を守るための努力や工夫を学び、協力して物事に取り組むことの価値を知る。 | 東京見学で大都市の暮らしを知り、周防大島では民泊を体験。それぞれの生き方や価値観に触れ、自分の生き方について考える。 | ||
〈高校1年〉 社会の現実を知り、 問題意識を持つ |
〈高校2年〉 私たちが望む未来 |
〈高校3年〉 社会での自分の 役割について考える |
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「いのち」に関わる企業、組織から自分の興味にあわせて訪問先を決めて話を聞く。社会の課題に目を向け、自分が望む社会を考える。 | SDGs(持続可能な開発目標)に関連したテーマについて学び、世界の問題を知りその解決方法を考え、最後は「自分の求める未来」を発表する。 | 多種多様な職業の方を招き、仕事についての座談会を行うことで、自らがどのように社会に参加していくのかを考える。 |
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
湘南学園中学校
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