「モデル・コア・カリキュラム」を導入して2年。さらなる「ディープラーニング」をめざす
校長の小畑秀文先生は、東京農工大学学長、国立高等専門学校機構(高専)の理事長を歴任した理系教育のエキスパート。高専の理事長時代、アクティブラーニングの推進に尽力した小畑先生は、かねてよりアクティブラーニングに力を入れてきた同校に興味をもち、2016年、同校に校長として就任しました。
自ら学ぶ姿勢を中高時代に養う
「科学技術は日々発達しています。どんな未来が到来するか、予想もつかないのが現代です。たとえば、多くの仕事は人工知能にとって代えられてしまうかもしれません。そんな未来を生き抜くために必要となってくるのが、“自ら学び、考え、実行する力”ではないでしょうか。その基礎は中高時代にあります。本校ではそのような“生き抜く力”を育てていきます」と、小畑先生は言います。
先駆者として「アクティブラーニング」に取り組んできた同校には、独自の教科「サイエンス科」があります。これは探究方法や論理的思考力を養う教科横断型授業で、同校のアクティブラーニングを支える基礎です。また、さまざまな人々と共生していく「ダイバーシティ」の重要性も念頭に置き、現在ではアクティブラーニングのその先の「ディープラーニング」をめざしています。
そんな同校で、小畑先生は、高専時代の経験をもとに「モデル・コア・カリキュラム」を構築。モデル・コア・カリキュラムとは、同校で身につけるべき知識や技能、能力などを詳細に記載し、学校全体で共有、教育の質を保証するものです。また、これをベースに、昨年の中1(現・中2)から全教科でアクティブラーニングによる授業がスタートしました。
「モデル・コア・カリキュラムでは『学び方を学ぶ』『自分軸を確立する』『ともに生きる』ことも目標にしています。アクティブラーニングに対して先進的な本校は、だからこそ、もう一歩先のディープラーニングをめざさなければなりません。それを後押しするものがモデル・コア・カリキュラムなのです」(小畑先生)
進んで外に出ていき、成果を出す生徒たち
自ら学ぶ姿勢を養った生徒たちは、学校の外へ飛び出しはじめています。まず、海に関わる研究「マリンチャレンジプログラム」で第1回の全国大会で最優秀賞に輝いたのは同校の生徒。彼女たちは、体を傾けて泥をつける習性をもつトビハゼに興味をもち、「トビハゼの転がる方向に規則性はあるのか」をテーマに仮説を立て、研究をし、ポスターにまとめました。
「マリンチャレンジプログラムに参加した他校の生徒さんは、ほとんどが生物部などの部員でしたが、本校の生徒はそうではありません。その女子高生が最優秀賞を獲得した。これは本当にすごいことです」(小畑先生)
一方、模擬国連に参加したことがきっかけで、学校を軍事利用しない「学校保護宣言」のキャンペーンを始めた生徒は、『朝日新聞』の「私の視点」欄に投稿。
「高校生で『私の視点』欄に掲載されるのは初めてとのこと。マリンチャレンジプログラムも新聞への投稿も、教員が指示したわけではありません。自ら考え、自ら進んで参加したのです」(小畑先生)
教育理念を明言化したのも小畑先生。それは、「生徒一人ひとりが持つ個性と才能を生かして、より良い世界を創りだすために、主体的に行動できる人間へと成長できる基盤の育成」というものです。いま、この教育理念を体現している生徒が続々と育っています。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
かえつ有明中学校
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