本物の大学の授業を実際に体験。進路選択にもつながる出張講義
大学ならではの興味深い講義を高校生にもわかりやすく
学習院女子中等科・高等科は、130年以上の伝統を持ち、都心にありながら緑豊かでのびのびと学べる環境が特徴です。同校では、学習院大学、学習院女子大学、そして大学院が同系列にあることを生かし、毎年7月に高校生を対象に大学や大学院の先生による出張講義が行われています。この取り組みについて、教務課長の家本佳代子先生にお話を伺いました。
「今年は7月9日と11日の2日間、出張講義が行われました。毎年全学部全学科から先生が来てくださるので、選択肢が豊富にあります。進学先について具体的に検討する時期である高2は2講座受講することを全員必須とし、高1、高3は希望者が受講しています。高3の場合は過去に受講して興味深かった先生の講義をまた受講して、その学科への志望を確かめる機会にもなっています。開催が期末試験後の夏休み前で、自由な時間が多く、生徒たちの関心が高まりやすい時期でもあります」と家本先生。講義は60分で行われるため、実際の大学の講義のダイジェスト版のような雰囲気で、なおかつ高校生にもわかりやすいように噛み砕いて、各先生の研究内容が説明されます。
「参加した生徒たちに感想を書いてもらうと、『大学の講義は一方的に受講するイメージだったが、先生との距離が近く、当てられて答えることもあることに驚いた』と書いてくる生徒もいます。学習院大学進学者の中には出張講義に参加した先生のゼミに入る卒業生もいるなど、この出張講義が進路選択の大きなきっかけになっているケースもあります」(家本先生)
学部学科のイメージが大きく変わる講義も
出張講義は、これまで漠然としたイメージしかなかった大学の講義が想像していたのとは少し異なるテーマを扱っているなど、生徒たちにとって新たな発見も多いのだとか。
「例えば、哲学科の講義では、先生ご自身の研究テーマである『中近世の絵画』をもとに、お伽草子絵巻の魅力を解説下さいました。生徒たちは大変興味深く、絵巻のレプリカを実際に手に取って見ていました。また、法学部法学科の先生は、実際の会社で作成された定款を素材として、株式会社の仕組みを解説下さり、法律は一般企業にも密接な関係があることを知る機会になったようです」と家本先生は話します。このほか、経済学部経営学科の先生による、回転寿司チェーンの工夫など、企業と消費者の双方にとって嬉しい仕組みづくりを学ぶ講義も好評でした。高校にいながらにして大学の講義を体験でき、いつもの環境なので、質問などもしやすく、安心して受講できるのも嬉しいところです。
大学との縦のつながりがあるメリットを生かす
同校には、出張講義以外にも大学とのつながりを生かした機会があります。「例えば、夏休み中に理学部では、希望者向けに研究室体験を行っています。そのほとんどは中学生も参加できます。また、文学部では毎年6月に高校生の希望者向けにガイダンスがあり、研究室の書庫を見学させて下さる場合もあります」と家本先生。12月には大学の通常の講義に参加する授業聴講も行われており、参加した生徒は大学での学びに向けて意欲を高められたと語っています。
同校は卒業生の6割が学習院大学・学習院女子大学に進学しますが、他大学に進む生徒にとってもキャリア教育のひとつとして、貴重な体験となっているようです。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
学習院女子中等科
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