「行動する哲人」を目指して育む力を、ICT活用でさらに大きく引き上げる
「行動する哲人」の育成を掲げ、中学を開校して9年目。この5年間で受験者数を5倍に増やすなど、人気が高まる同校ですが、その教育の柱は「GPI」。つまり、グローバル力、プレゼンテーション力、そして、それらをさらにグレードアップさせるためのICT活用力です。今回はその「I」に焦点を当て、副校長の梅澤俊秀先生にお話を伺いました。
一人1台タブレットを所持。授業改革がますます進行中
今年、全校生徒がiPadを所持する体制が整いました。全教室にプロジェクターを配備し、体育館にも2台設置。授業や個別学習、部活動や行事と、フルに活用しています。
ICT環境の整備を牽引してきた梅澤副校長は言います。「ICTは、今の教育になくてはならないものです。思考力を培うツールとしてきわめて有効ですし、情報を共有しながら課題に取り組むなど協働力育成にもつながり、さらには個別対応の学習も充実してきました」
同校が最も育成に力を入れているのは「考える力」と「伝える力」。そのために、あらゆる場面で「まとめて・書いて・発表する」ことを繰り返しますが、その力をICT活用で、さらに進化させています。
ICT活用力は、大学入試や実社会で大きく活きてくる
中学の社会では「みんなで世界遺産を見に行こう」、数学では「関数のグラフを使って絵を描こう」など、各教科でさまざまに工夫してICTの特性を活かした授業を展開しています。「iPadでアクティブラーニングを行う際、教員たちは『どこに引っかかり(問い)を作ろうか』と、つねに考えを巡らせています。教員自身の『探究力』がますます重要になってきていますね」
また、高校では人工知能型タブレット教材「Qubena」を導入。これにより、生徒一人ひとりが自分の到達度に応じて学べるアダブティブラーニングが実現しました。このQubenaは近い将来、中学にも導入することを検討中だそうです。
さらにもう一つ、大学受験における有効性も見逃せません。「今、大学入試ではAO入試や推薦入試が増えていますが、入学定員厳格化(※)などで、私立大学の一般入試はますます厳しいものになっています。一人ひとりの志望に沿った対応がより必要になりますが、そういう意味でも、ICTを活用した探究的な学びを継続していくことは、AO入試や推薦入試に非常に有効だと思っています」。もちろん、この力が社会で活躍する際に重要なスキルの一つになることは言うまでもありません。
※入学定員厳格化…「地方創生」のため、政府が東京23区内にある私立大学の定員増と大学や学部の新設を禁止する方針を打ち出し、これに反した場合は私学助成金を支給しないというもの
ICTとアナログの両輪で、生徒の力を最大限にレベルアップ
「学校という集団の中でしかできない学び」を模索し続けること、そして個別には「一人ひとりの状況に合わせた学習の充実、さらにポートフォリオとしての蓄積」が、同校のICT活用の目的の両輪です。
先進的なICT教育を展開しつつも、開校以来、教科学習や行事などの際に壁新聞を作るなど「手で書く」アナログな学びも大切にする同校。それは思考や表現の手段を重層的に身につけることであり、課題解決への突破力育成にもつながっています。同校の改革は、まだまだ続きます。
同校は近年、「適性検査型入試」や「ルーブリック評価型入試(プレゼンテーション+グループディスカッション)」を新設し、5種類の入試を行っていますが、来年入試ではさらに「算数1科目入試」を新設します。
●「算数1科目入試」
日程…1月21日(火)午後
科目…算数+面接
説明できるようになることで知識は着地する。まさに「考える力」と「伝える力」は分野を問わず、すべてに通じる学びの基本ですが、その資質を発掘するための入試です。学校HPにサンプル問題が掲載されていますので、ご注目ください。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
千葉明徳中学校
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