全国から注目を集める独自の英語教育メソッドで、生徒の自己実現に寄与する
「4つの柱」で予測不能な社会を生き抜く資質を身につける
VIVID Innovations Kojimachiという大きな教育改革に、2015年に現校長の山本三郎先生が着任してから着手してきた同校。「アクティブイングリッシュ」「思考型授業」「みらい科」「グローバルプログラム」の4つを教育の柱として、予測不能な社会においても自らの「みらい」をデザインし、社会に貢献できる女性の育成を目指しています。
今回は同校の英語教育について、堀美加・英語科主任にお訊きしました。
「本校の英語の授業「アクティブイングリッシュ」では、4技能をバランス良く身につけ、本当に使える英語を身につけさせることを重視しています。今、世の中ではICTの活用が加速度的に進んでおり、国内にいても海外の人と繋がることが当たり前の環境になってきています。生徒には、単に「使える英語を身につける」だけでなく、本校の「思考型授業」「みらい科」「グローバルプログラム」を通して、総合的な資質を身につけてもらいたいと思っています。」
改革5年目で英検1級の取得者も
アクティブイングリッシュ導入の成果は、英検の結果にも如実に表れていると堀先生は語ります。
「本校では入学時から英語を得意とする受験生が入る「グローバルコース」と、2科4科を得意とする受験生が入る「スタンダードコース」の2つのコースがあります。現在の「グローバルコース」の2年生には、英検1級の筆記試験に合格した生徒も出ました。もちろん「スタンダードコース」でも、成果は表れています。「スタンダードコース」の生徒は大半が小学校での英語授業以外に英語学習の経験がなく、最初はアルファベットから学び始めるのですが、1年生の学年末時点では50%の生徒が、英検4級以上をすでに取得しています。」
英検の取得は最終的な目的ではありませんが、生徒の主体的な学びを促進する上でも、英検の受験は重要な役割を担っていると堀先生は言います。
「本校では女子校として女子教育を実践する上で、『自己肯定感』を持たせることをとても大事にしています。本校の生徒は、真面目にコツコツと頑張る生徒が多い反面、未知の領域に踏み込もうというチャレンジ精神の希薄さについては、課題を感じていました。アクティブイングリッシュを取り入れてからは、積極的に次の英検級に挑戦する生徒がとても増えたと実感しています。英語科のみならず、他教科の教員とも、生徒の雰囲気が良い意味で変わってきたと、よく話をしていますが、アクティブイングリッシュを通じた英検の成果が、生徒のやる気に火をつけるきっかけのひとつになっていると思っています。」
英語力向上の第一歩は、英語を好きになること
「スタンダードコースの授業では中学1年生のテキストから、グローバルコースの授業では中学2年生のテキストから、グローバルコースの中でも特に英語力に秀でた生徒向けに行っている取り出し授業では、様々なテーマで英語によるディスカッションを行うことを念頭に、教材を選んでいます。どのコースでも共通して言えることが、英語の授業では間違えることを恐れないで欲しい、英語を使うことを楽しんで欲しいということです。そのために、毎朝10分間の活動として取り入れている音声活動では、流行りの曲を英語で
歌うなど、授業中でもまずは先生が楽しんで授業を行うことを大事にしています。」
休校期間中のオンライン
インターナショナルラウンジの開放は生徒の進言から
「本校の英語教育では、評価も4技能均等に行っています。つまり、定期試験においては日頃のスピーキング活動についても、総得点の4分の1にあたる、25点分として評価します。これは本校の英語教育の大きな特徴のひとつです。」と堀先生は語ります。
「本校ではそのためにスピーキングパスポートを生徒に配布しています。生徒は授業内外での発言や教員との英語でのコミュニケーション、昼休みや放課後に開放しており、ネイティブの教員が常駐するインターナショナルラウンジ(i Lounge)での活動に応じてポイントを貯めています。定期試験ではそのパスポートのポイントを点数化します。特に成果を感じている点としては、「スピーキングの点数を得るため」という目的を超えて、授業外での生徒の英語の活用機会、i Loungeの利用率が非常に高まったことです。入学当初はとても内気な性格だった生徒が、ネイティブの先生に対しても臆せず話しかけにいくようになる様子は、私自身とても驚いておりますし、嬉しく感じます。」
同校では、新型コロナウィルス感染症拡大防止に伴う休校期間中も、平日の昼休み、そして放課後30分間、オンラインでi Loungeの開放をしています。
「本校では、休校期間中にもオンラインによる授業を展開しています。その中で、あるとき生徒の方から「i Loungeもぜひオンラインで開放して欲しい」という提案が出てきました。本校としては、もっともっと英語を使って話したいという生徒の希望に応えるために、すぐにその仕組みを整えることにしました。」
「4つの柱」がリンクして初めて完成する「みらい型学力」
「本校では今年度からK-TOP(Kojimachi Take Off Program)という新しいシステムを導入しました。これは本校オリジナルのオンライン教材で、自学による単語・文法・ディクテーション・リスニング・リーディング・大学入試問題の演習だけでなく、英検・IELTS・TOEFL・TOEICといった試験の対策にも対応ができる内容です。今後は、生徒の学習状況に合わせて各教員が自作した教材もアップしていく予定です。どの学校でも同じかもしれませんが、同じ教科の教員の中でもその経歴によって得意な分野、苦手な分野があると思います。本校では、そうした教員の経験や知恵を集結させ、すべての生徒に対して高い質の教育を提供していきたいと思っています。それは、もちろん英語科だけでなく、学校全体としても同じだと考えています。」
アクティブイングリッシュは同校が掲げる「4つの柱」のひとつ。最終的な目標はこの「4つの柱」が有機的に結びつくことで、将来社会でも活躍できる女性を育てることだと堀先生は語ってくれました。
「本当に使える英語」を身につける英語教育の取り組みやその成果で、今注目を集めている同校。今後の動きにも注目です。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
麴町学園女子中学校
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