私学探検隊

「表現」の授業で「絵を見て書く」

「表現」の授業で、自分の言葉で伝える力を養う

「表現」の授業中のようす。

「表現」の授業中のようす。

学習院女子では、「本物に触れる、過程を大切にする、表現力を身につける」ことを学びのあり方として大切にしています。すべての科目に共通するポイントは、「自分で考える力」を育むこと。
とりわけ国語では、思考・判断・表現に役立つ日本語力を養う工夫を重ねて独自の授業を行っています。「自分の語彙を使って表現し、相手に伝える力を磨くことは、自己と他者との違いに気づき、人間的な成長にもリンクするものと考えています」(国語科主任の玉田隆之教諭)。
学力の基礎づくりと位置付ける中1の国語の授業は、現代国語、読書、古文、表現と4つあり、「表現」と「古文」は、1クラスを半分にした少人数の分割授業(20名前後)を行っています。一人ひとりに目が行き届きやすく、生徒同士が互いに意見交換しやすい環境を作り出しています。

1枚の絵からさまざまな情報を読み取る

「表現」は、故木下是雄先生(元学習院大学学長)が立ち上げた「言語技術教育」に基づいて、約40年前から始まった授業です。「時代とともに指導内容を少しずつ変化させてきましたが、『言葉によって事実や意見を的確にわかりやすく伝える』ことは、当初と変わらぬ理念です」(国語科の梶井扶早子非常勤講師)。
そうした取り組みの一つとして行っている「絵を見て書く」の授業では、生徒たちは始めに1枚の絵から思い込みにとらわれずにさまざまな情報を正確に読み取り、絵を見ていない人にもわかるように説明する力を磨きます。次に読み取った情報から自分に目を向けて考えを深めていきます。最初は少し戸惑う生徒たちも、「絵に描かれた場所や季節、時間、匂い、音などさまざまな発見があることをおもしろく感じられるようになっていきます」(梶井先生)。
複数の設問に答えた後に必要な情報を100字程度でまとめる手法に慣れていくと、グループワークや意見交換をする中で、自分とは違う異なる視点に気付かされます。「何を読み取るかは人それぞれ。答えが一つではないことを知り、広い視野と柔軟な思考力を獲得します」(梶井先生)。

丁寧に深く考える力、そして的確に伝える力

1学期の授業では、自分の立場(意見)と根拠を他者に納得してもらうには、どのように考えて伝えたら良いかを学びます。2学期は新聞記事を元に自分の立場を決め、根拠に基づいた考えを3分間スピーチとして発表。そして3学期に「絵を見て書く」の授業を行います。
しっかりとした根拠を持って論理的に思考する力は、【絵を見ること】も【文章を読むこと】でも同じ。「物事を多角的に捉える柔軟性や客観性、論理的思考力を養うには、玉石混交の情報から必要な情報を正確に受け取ることが大切です。生徒自身がじっくりと深く考えたことを、自分の言葉で的確に伝えることができるように指導しています」(梶井先生)。
さて、上の3枚の絵は実際の授業で使われたものです。あなたならどう説明しますか?

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

学習院女子中等科
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