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2018年6月24日模擬国連報告会 〜 模擬国連は、フルコース 〜

2018年6月24日模擬国連報告会 〜 模擬国連は、フルコース 〜

今年5月にニューヨークで行われた、『高校模擬国連国際大会』に日本代表として参加した高校生たちによる渡米報告会が、6月24日、都内で開催されました。

■□■そもそも模擬国連って?■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
ここ数年、新聞等でも日本代表の活躍が報じられるようになり、「模擬国連」という大会の認知度も上がってきたように見えます。
模擬国連とは、その名の通り国連会議のシミュレーション(模擬)。ある国の大使となって、政策を立案し、会議を行います。
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■高校模擬国連国際大会・日本代表への道ーーーーーーーーーーーーーー
 国際大会(ニューヨーク)出場するまでには、大まかには次のようなプロセスがあります。
7月 募集要項および選考課題公表
9月 応募受け付け
   定員をうわまわった場合、書類選考
11月 全日本高校模擬国連大会(東京)(※最優秀賞または優秀賞をおさめる)
翌年5月 高校模擬国連国際大会(ニューヨーク)へ日本代表として出場

 摸擬国連では、全日本大会でも国際大会でも担当国は指定されるまで、どこの国になるのか、全くわかりません。数年前の代表には、国歌を覚えてテンションを上げた、という参加者もいましたが、その国のおかれた立場や事情はもちろん、国際情勢をリサーチし、政策を立案、会議に反映する・・・、一連の行動は担当する国の大使としてのもの。全日本大会では、その政策立案と会議行動が評価されます。議長は英語を使い、高校生たちはときに日本語でも発言しますが、英語を使いながら発言する様は、高校生に見えない瞬間もあります。このようにあらゆる要素が含まれている大会ですから、ある高校生から「模擬国連はフルコース」という言葉が出ると、誰もが深く頷いていました。

■繋がる襷(たすき)ーーーーーーーーーーーーーー
 昨年11月の全日本高校模擬国連大会で日本代表に選ばれたのは、浅野、海城、渋谷教育学園渋谷、頌栄女子学院、桐蔭学園中等教育学校、鳥取県立鳥取西、計6校の高校生たち(主に2人一組ペア)。日本代表になった参加者をもってしても、国際大会の議場に足を踏み入れた時に感じるのは、圧倒されるほどの緊張感といいます。報告会では全日本大会や国際大会の体験を通して感じたこと、成長したと思うこと、課題と考えることを話しました。「どうだ!」と言わんばかりの報告ではなく、工夫したこと、日本人の得意なところ、想定外の出来事や危機に直面したときの対応、思うようにいかなかった悔しさ・・・・。
 見学者の多くは摸擬国連活動をしている高校生。報告者は、どのような会議行動が良かったかという実践的なアドバイスも織り交ぜて、見学者からの質問にも的確に回答し、まさに襷を繋ぐかのようなやりとりが続いたのが印象に残っています。
 ある参加校の、引率の先生がおっしゃっていました。「彼らは〝摸擬〟とは思っていないんですよ」

☺︎「志の高い同志と出会えた」
☺︎「参加者は世界を少しでも良い方向に変えられると信じている人」
☺︎「男女ペアだからといって、それによる悩みは特になかった」
☺︎「アカデミックレベルの高い話を、同年代と話せるのが魅力」
☺︎「自分がどんな人かを怖がらず知ることが大切」
☺︎「トライアンドエラーの連続。最後までトライし続けた」

■世界の現場で働く人々との出会いーーーーーーーーーーーーーー
 ニューヨークでは会議に先立ち、UN Women本部、UNICEF、国連日本政府代表部、日本貿易振興機構(JETRO)ニューヨーク事務所を訪問しており、そこに働く人々から受けた印象も報告されました。特に国連事務次長・軍縮担当上級代表中満泉氏への表敬訪問は、派遣団に大きな刺激を与えたようです。

☺︎「大きく組織でも、現場主義の地道な活動の積み重ねがあることを学んだ」
☺︎「国連で働く人たちは、理想を見失っていない」
☺︎「オーラを感じた。日本人が頑張っていること知り、会議本番も頑張ろうと思った」

■グローバル・クラスルーム日本委員会ーーーーーーーーーーーーーー
 報告会には約90名の見学者が来場。今年は初めて見学者企画として、見学の中学生・高校生と派遣団経験者とが直接話す時間が設けられました。今回の派遣団に加え、摸擬国連経験者の大学生も参加して、体験を共有する場となり、大いに励まされたのではないかと思います。「自分たちの体験を、多くの人たちに伝えたい」「もっと模擬国連が広まって欲しい」「一緒に考えよう」という思いを支えている多くの人たちの存在があります。

 この派遣事業は、グローバル・クラスルーム日本委員会と公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)が主催しています。グローバル・クラスルーム日本委員会は現役大学生で構成され、全日本大会の運営、派遣団のサポートなど、模擬国連の経験を生かして、ACCUのスタッフとともに、高校生を時には叱咤し、時には喜びをともにし、陰になり日向になり支えています。この事業を支援するスポンサーとの折衝も行います。成功体験ばかりではなく、悔しさや不完全燃焼の思いを抱えている先輩の存在は、後に続く高校生にとって何よりの心の支えでしょう。

□見学を終えて・・・
 高校模擬国連国際大会出場という大きな目標を達成し最優秀賞を受賞した高校生は、「賞は儚い」と言いました。世界と向き合ったみんなは、次に何を見据えているのでしょうか。それぞれの夢の実現を心から応援しています。
 第12回全日本高校模擬国連大会の要項は、7月1日に公表されました。今年11月の全日本の議題は「武器移転」(Arms Transfers)。

http://jcgc.accu.or.jp/img/2018GCJ_boshu_yoko.pdf

☺︎「世界平和というゴールに向かって、世界中の高校生が一緒になれば、世界を変えられるんじゃないかと感じた」